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コミカルにカモフラージュ「イニシエーション・ラブ」

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どんでん返し系の映画っていっぱいあるじゃん。ぼくそういうタイプの映画が好きなんだ。今回観た映画「イニシエーション・ラブ」もそんな映画。この作品は同名小説が原作になってて、その原作は真面目な恋愛小説(大筋はね)なんだって。ぼくは読んだことないんだけど。真面目な雰囲気の原作だからどうなるのかなーって感じで観たんだけど、しっかりとコミカルになっててちょっと笑った。でもね、けっこうぼくは好き!面白かった!

原作をほぼそのまま再現

上に予告動画をはっつけたけど、観ない方がいいと思う。マジで。あらすじは以下のとおり。

バブル真っただ中の、1980年代後半の静岡。友人から合コンに誘われ、乗り気ではなかったが参加することにした大学生の鈴木(松田翔太)は、そこで歯科助手として働くマユ(前田敦子)と出会う。華やかな彼女にふさわしい男になろうと、髪型や服装に気を使って鈴木は自分を磨く。二人で過ごす毎日を送ってきた鈴木だったが、就職して東京本社への転勤が決まってしまう。週末に東京と静岡を往復する遠距離恋愛を続けるが、同じ職場の美弥子(木村文乃)と出会い、心がぐらつくようになる。

シネマトゥデイ

このあらすじ、いいね!!

さて、感想なんだけど、面白かった……というか楽しめた。

ヒントがけっこう多いので、どうしても結末は分かってしまうってのはしょうがないのかな。ぼくはもっと隠して欲しい。分かりやすくするための親切心って必要かね!?って思っちゃうんだけども。

だからラストでめちゃくちゃ驚いたってのはなかった。

でも、「ははーん!こうしちゃうの!?ほうほう、なるほどね」みたいな、仕組みに感心するような楽しみ方もできたし、前田敦子さんの演技が素晴らしくって、そこもポイント高かった。

あと、ぼくは原作を読んでないのでなんとも言えないんだけど、原作を読んでいたく感動していた人とこの映画を話した時に「映画はほとんど原作そのまんま」って言ってたので、そういう意味でも原作を読んだことのある人は楽しめるんじゃないかなと思う。

ただ「じゃ原作読む前に映画観てもいいくらい?」っていう質問には「断然原作の方が面白いのでそれはない」とも言っていたので、そこんとこは誤解なきよう。

忠実な再現による弊害もあったようだけど……そこはまた後半でまとめて語ろうかな。

とりあえず、ぼくのような原作知らない系の人であれば、そこそこ楽しめる映画にはなってると思う。音楽も良かったし。原作小説の目次にされている音楽をそのまま使ってるのね。オシャレだった。

ちなみに以下の原作版の評価はその知人によるものだ。星5だって!

[ama asin="B009FUWQ8A" name="イニシエーション・ラブ" star="5.0"]

コミカルな演出で継ぎ目に現実味

ああああっと、こっからは完全にネタバレるのでそのつもりで読んでほしい。別に良いよって人はそのまま。すでに観賞し終わっている人もそのまま。嫌な人は回れ右。OK?

じゃ、書き始めるよ。完全に見終わった人向けだからね

まずね、この映画の一番の仕掛けである"ダイエット"なんだけど、これは映画オリジナルで原作にはないものなんだって。

視覚的に「Side A」と「Side B」をつなげる方法としてこれしかないっていうアイデアだったし、演出に説得力を持たせるのにも相当苦労したんじゃないかなと思った。

たぶん原作の雰囲気のままだったら「いやいや完全に別人登場ですやん」ってなるところを、映画版のコミカルな雰囲気でグッと押しやったというか、踊るデブの勢いがイケメン化への説得力を持たせたというか……。

あそこの変化を違和感なく受け入れる要因として"コミカル"があるんだとすれば、その演出の必然性も感じられるなと。

あとはそうだな、前田敦子さんの演技かな。彼女の演技が全体のストーリーに説得力を持たせたってのもあると思う。

映画全体を包むゆるい感じで継ぎ目に説得力を持たせて、前田敦子の演技でストーリーに説得力を持たせた。みたいな。そんな感じ。

引っかかる部分そんなに残さなくても

そうなると気になるのは、作品全体における結末へのヒントの多さね。これは気になる。とても。

一番気になったのは、太った鈴木くんに対して前田敦子が「たっくん」って言いかけちゃうシーン。言いかけて、「たっく……タックにも気を使わなきゃ。もっとオシャレしなきゃ!」みたいに誤魔化すんだけど、いやいや、誤魔化せてないから!太った鈴木は信じたかも知らんけ、観てる方は誤魔化せてないから!!って思っちゃった。

でさ、しかもそのシーンって原作に無いらしいんだ。ほかは忠実に再現しているのにそれ入れちゃうのかーって。そこはちょっとがっかりした。

ただヒントの多さには恐らく理由があって、それは映画だから仕方がないものなんだけど……。

何百ページも渡る原作の隅々に散りばめられたヒントをギュッと映画版に濃縮しちゃうと、どうしてもストーリーの中で目立っちゃうんだと思うんだよね。

原作は一見普通の恋愛小説としか思えないくらい細かく鈴木やマユの心情を描いているらしいんだけど、そこだと存在感が薄かったヒントが、映画化に際して存在感が増しちゃう現象が起きたんじゃないかなと!

だからさ、引っかかる部分はたくさん残さずに、必要最低限にして、できれば「たっくん」のくだりは無くしていただくのがよかったかなって思ったよ。

そしたらきっと最後にびっくりできたかなって。そんな風に感じた。

あっちゃんの演技、良い

前田敦子さんの演技、本当に良かった。ちょー良かった。

え、すごく良くなかったですか?あっちゃんすごく良かったですよね!?

めっちゃかわいかったし、考えてることが読めないというか、空洞っぽい人の演技が"前田敦子"っていうキャラクターにピッタリはまってたというか……。

作品中のシリアスなポイントは彼女の演技が支えているなと感じたし、ゆえに存在感もひとしおだった。

笑顔(だったよね?)で言ったラストの「たっくん」はやばい。こいつ、なんなんだ!?って終わる感じがやばい。すごいぞ前田敦子って思った。

どんでん返し

というわけで、いろいろ言ったけどぼくはけっこう楽しめた。原作を知らないとぼくはこんなにも映画を楽しめるのか、とも思った。はぁ。

ただね、これだけは言いたい。「どんでん返し」を推しすぎるのはよくない、と。

もし推すのであれば、責任をもって「どんでん返し」させてくれと思う。本当に読めなくて、でも納得できるストーリーでビックリさせてくれよと。

みんなもそう思うでしょ!?

……いやほんと、いつも勝手なことばかり言ってるなぁ。これから毎回最後に謝ろ。関係者各位に謝罪します。勝手なことばかり書いてごめんなさい!!