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ビデオ撮ったりブログ書いたりしながら、できるだけ、心だけでも、子どものままでいたいなと思う日々を送ってる。

このブログは、そんなハンサムクロジ(変な名前でごめん)が色々なものを見て、聞いて、触って「こうなのかも」「ああなのかも」と思ったことを綴るものだよ。

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理解できないから怖い、でも知りたい「渇き。」

RATING 星1星マーク星1星マーク星1星マーク星1星マーク星0.5半分の星マーク 4.6

2014.07.02

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グロくてポップだと、ぼくの中でコメディとして処理してしまう部分があったのだけど、そうでなくてもこれは笑える。かっこ良くてバカバカしい。あいまいな理由でゴミみたいに人が殺されて死んでいくなんて現実は最悪で大嫌いだからコメディとして笑い飛ばしてしまえ!!って感じ。

ということで、小説「果てしなき渇き」が原作の映画「渇き。」を観てきた。ので、感想を書いときたいと思う。

理解できないから怖い、でも知りたい

あらすじ

妻の不倫相手に暴行を加えて仕事も家庭も失った元刑事の藤島昭和は、別れた元妻の桐子から娘の加奈子が失踪したと知らされ、その行方を追う。

容姿端麗な優等生で、学校ではマドンナ的存在のはずの加奈子だったが、その交友関係をたどるうちに、これまで知らなかった人物像が次々と浮かび上がってくる。

娘の本当の姿を知れば知るほどに、昭和は激情に駆られ、次第に暴走。その行く先々は血で彩られていく。

この作品は、深町秋生氏が書いたミステリー小説「果てしなき渇き」を原作とした映画作品。中島哲也監督によってタイトルを変えて映画化、2014年6月27日に公開された。

これは加奈子のお話だと思うから、加奈子について。

彼女はドラッグのメタファーガジェット通信の原作者インタビューに書かれてる)なんだってさ。彼女に触れた誰もが彼女に夢中になり、求め、破滅していく。

ぼくは原作を読んでいないので分からんのだけど、原作では加奈子の行動にはちゃんとした理由があるみたい。でも映画では全く描かれてない。

加奈子は最初っから怪物で、最後まで空っぽだった。自分の人生の全てを夢の中を歩くように自由に生きたけど、そこには動機が無い。

だから気持ちが悪いし、理解できないから怖くて、なのに加奈子を知りたくなる……で、死ぬ!みんなほとんど漏れなく死ぬ!!ひどいもんだよ……。

演じた小松菜奈さんは思春期の青年が馬鹿みたいにハマりそうな妖艶さがあって良かった。ドコモのCMで見たことのある人が多いんじゃないかな。こういう感じがとても似合う。

理解できないから怖いっていうのは、だいたいこの映画のどの登場人物にも当てはまるポイントだと思う。

彼らの行動そのものや、その時の感情はなんとなく描かれるけど、バックグラウンドが薄いからどうしてそこに至ったかが曖昧で、ゆえに狂気が増すっていう。

3年前の「ぼく」と加奈子の担任は例外なんだけどね。彼らはとにかく可哀想だった……。

ダイワハウスには住めないし、ダイハツには乗りたくない。でも一番搾りはうまそう

藤島演じる役所広司が素晴らしい。住宅系CMを揶揄った表現が出てきたり、自動車で事故りまくったり、薬と一緒にビール飲んで吐きまくったりと最悪なクソ野郎を演じてる。

役所広司氏はダイワハウス、ダイハツ、キリン一番搾りと3つのCMに出演し、各社のイメージキャラクターと言ってもいいくらいの存在。なのに、これ。ひどい!!

加奈子を求める"渇き"に導かれて、殴ったり、殴られたり、殺したり、殺されかけたりしている藤島。服装はダサいし、汗だくのヤバイおっさんなんだけど、なぜかめちゃくちゃカッコいいんだよなこれが。

外車、タバコ、酒、拳銃、ドラッグ、レイプなどなど、単語化するとハードボイルドすぎる行動もそうなんだけど、個人的にはオープニングが大好き。加奈子が失踪したという報告を聞いて、桐子(黒沢あすか)の家に向かう時の映像に痺れたなぁ。

いつでも怒って、つねに口汚く何かを罵っている。あぁ、人間ってこうだよな、これでも人間なんだよなと安心できるキャラクターだった。最低だけど。

あとはラストシーンのセリフと、その姿ですね!あの終わり方は好き!!

狂気のオダギリジョー

で、オダギリジョー。かっこよすぎた。頭良さそうな悪いやつ。人を殺したくて殺したくてたまらない殺し屋で、最後は雇い主や妻までぶっ殺してしまう狂人を演じてた。

彼もまた理由が無い男で、だから怖い存在。でもなんだか可哀想。だけどやりすぎ。

ただ、スーツで銃を構えるあの立ち姿にはグッとくるものがある。ショッピングモールの屋上で、車ぶつけて銃ぶっ放しまくって、にこやかなゲス刑事に自殺と見せかけてぶっ殺される殺し屋って、そんなのファンタジーすぎて笑っちゃうけどさ。最高だよ。

ある意味、彼は本来の姿を隠して大切なものを守り戦うスーパーマン(殺されても立ちあがったし)だったわけで、そこはちょっと仮面ライダーっぽいなとも思った。

狂気のクウガ。出番少ないけどよかった。

意味は無いし救われないし、加奈子の行方を知ってもしょうがない

この映画で気分が悪くなる方も居るだろうし、何かミステリー的なものを期待される方も居るかもしれない。ただぼくの解釈としては、この映画はそもそも我々の気分を害しつつ笑ってもらうために作られたものだと思ってる。ダメな人は徹底的にダメなタイプの作品だね!

なので「ひどい!気持ち悪い!最悪!意味が分からない!グロすぎ!気分が悪い!!共感できない!」が当たり前。気分よく共感できたら、それこそヤバイ。

共感できないめちゃくちゃな感じをポップな演出で引っ張っているというか。個人的にはこの演出は好き。「告白」も好きだった。

ポップにクズが人殺し。理由は加奈子。嘘みたいだけど、ほんとにあるかもこんなこと。だから笑い飛ばしてしまおう。そんな感じ。

理解できないから恐ろしく美しい、だからこそ知りたい&覗きたい世界。めちゃくちゃおもしろかった!!

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