マンガ / アニメ

断片的土着信仰系ホラー「後遺症ラジオ」

投稿時間2015.08.26シェア数4
オムニバスホラー漫画「不安の種」の作者、中山昌亮氏の新作「後遺症ラジオ」を読みました。たまたま本屋さんで売られているのを見つけて、結局その場では買わず電子書籍として3巻まで(4巻は2016年の6月発売らしい)購入。「不安の種」「不安の種+」と一緒にまとめてKindleに入ってます。なんだかおそろしい本棚になってきました。

オムニバスホラー漫画「不安の種」の作者、中山昌亮氏の新作「後遺症ラジオ」を読みました。

たまたま本屋さんで売られているのを見つけて、結局その場では買わず電子書籍として3巻まで(4巻は2016年の6月発売らしい)購入。

「不安の種」「不安の種+」と一緒にまとめてKindleに入ってます。なんだかおそろしい本棚になってきました。

精神に負う後遺症

「後遺症ラジオ」は、タイトルにあるとおり、心のどこかを後遺症のように蝕む恐怖を遺すオムニバス形式のホラー漫画です。

過去作品である「不安の種」「不安の種+」同様、切り取られた日常ににじり寄る一瞬の恐怖がシンプルに描かれている作品。

読み終わってしばらくは、普通に生活しているだけで作中のシーンがフラッシュバックしてきます。日常がいちいち怖くなるので、そうなりたくない人は読まない方がいいかもしれません。

ただ、「不安の種」「不安の種+」と違って、実はほとんどの話につながりがあるというか、恐怖の源流が同じというのが「後遺症ラジオ」の面白いところ。

土着信仰とそれへの嫌忌から生まれた避けようのない呪いみたいなものが広がっていく様をバラバラに描きつつ繋げていく演出は、「呪怨」シリーズにも似たものを感じました。

バラバラのままでも怖い。繋がりを知るとまた怖い!そんな作品です。

怪異の原因がモンスターすぎる

半数以上のお話でオチに怪異の正体が大きく描かれるのですが、そのほとんどの造形がモンスターすぎて、とにかく気持ち悪い!そして怖い!

不安の種シリーズもそうだったんですけど、よくもまぁこんなもの想像できるなってくらい普通じゃ思いつかないような姿が描かれています。

見方を変えればファニーな、ちょっと笑えるデザインなんですけど、姿が現れるまでの空気作りが上手いからかラストまでには恐怖の対象としてか見れなくなってるっていう。

だから毎話毎話「うえぇ」とか「げぇ」とか言ってから次の話に行くことになってしまって……。ぼく、これ読んでる時かなり変な顔してると思います。

そんな世にも想像しがたい姿を日常に溶け込ませているんだから、中山昌亮氏はやっぱりすごいなあと「後遺症ラジオ」を読んでいて感じます。

後を引く気持ち悪さや気味の悪さに耐えられる怖いもの好きな方はハマるはず。ぼくは読むだけなら大好きです。体験はしたくありません!!

過去作品を読んでいると分かる共通点

不安の種シリーズを読んでから「後遺症ラジオ」に触れると、いろいろと共通点というか、怪異の造形やエピソードに似たものを見つけられて楽しいです。

顔が藁の女、転の章、宿ヌシ、のぶろう君などなど、それらを覚えていると「あー」と思えるエピソードがありました。

繋がりはないんでしょうけど、作者が"怖い"と思うものが知れたような気がして、それがなんとなく全体の核心に近づいたような気持ちにもなって、ちょっとだけワクワクしてしまいました。

とりあえずオチョナンさん的な顔は好きみたいです。よく出てきます笑

秋の夜長に

ぼくは夏よりも秋の夜の方が怖いです。なんだか怪しさを感じます。

夏と冬という主張の強い季節の間にある曖昧さが、日常と怪異との境界を曖昧にしているような、そんな気がするのです。十五夜とか神秘的だし。

夏が終わっても、秋の夜長にぜひ。「後遺症ラジオ」で怖い思いをしてみてはいかがでしょうか。