映画

世間、家族、子ども、しんどい「ルーム」

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けっこう前に公開されてた映画「ルーム」の感想。もう上映してるとこもないだろうしって思ってたけど、意外とやってるとこあるみたいなので書いときます。好きだけど、けっこうしんどい。ぼくは泣いたり感動できたたシーンがあったけど、嫌な気持ちになる人も少なくないんじゃないかなと思う。そういう重たい作品でした。

どんな話なのか

誘拐、7年間もの拉致、監禁、繰り返されるレイプ。過酷な環境に身を置いた女性が、5歳の息子のために命がけでその環境から脱出し、元の社会に還っていく過程を描いた作品。

フィクションだが心理描写などが妙にリアルで、感動する場面はあれど、どちらかというと終始暗澹とした雰囲気に押しつぶされそうになる。

しんどい映画。

面白かったところ

作品は5歳の男の子目線で描かれているシーンが多くて、その目線を再現した演出に感心した。監禁されていた部屋(作品のタイトルにもなっている"ルーム")から脱出して、その世界に触れた時の肌感覚というか視界の開け方というか、そういった部分の表現が絶妙。

脱出して終わりではなく、親子が元の社会(日本的に言うと"世間"って感じ)に適応したり拒絶したり、はたまた拒絶されたり……といったなかなか映画では描かれない部分が丁寧に作られていたのも良かった。

社会からの拒絶という意味で一番つらかったのは、主人公の実父の対応だった。こういう人って少なくないのだろうし、気持ちは分からなくもないけど、そんな正直にならんでもとは思う……。

好きなシーン

観たのけっこう前だからうろ覚えなんだけど……。

  • "ルーム"の中、母子で過ごすささやかな時間
  • 髪切ってもらって「I love you grandma」
  • 義父が居るシーン全部

感じたこと

ぼくは男なので、たぶん母子の間にある絆っていうのを本当の意味で知ることはないのだろうけど、この映画を観てほんの少しだけ理解できたような気がする。

誰の子だろうと我が子。我が子のために全てを投げ打って外の世界に逃げた彼女、逃げ場のない世間にされされて壊れてしまった彼女を救った息子。

生きとるだけで尊いよなぁ。

あと、公開が日本で誘拐事件が起こったタイミングということもあり、色々考えさせられた。

現実と同じく映画の中でも被害者が責められてしまうのを見るにつけ、少なからず人間に絶望してしまう。悲しい。

こんな時に観たい

辛い気持ちになるので、わざわざ観なくても良い映画。

だけど、観た方が少しだけ心が豊かになる。気がする。

おじいちゃんとおばあちゃんに子どもをあずけて、夫婦で観に行こう。