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Twitterアカウントハンサムクロジ

ビデオ撮ったりブログ書いたりしながら、できるだけ、心だけでも、子どものままでいたいなと思う日々を送ってる。

このブログは、そんなハンサムクロジ(変な名前でごめん)が色々なものを見て、聞いて、触って「こうなのかも」「ああなのかも」と思ったことを綴るものだよ。

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すごい遠いとこ「君の名は。」

RATING 星1星マーク星1星マーク星1星マーク星1星マーク星1星マーク 5.0

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恋愛を主題とした映画についてどうこう言うのって照れくさくて苦手なんだけど、それでも「君の名は。」については良かったと伝えたい。

人を好きになること、好きな人に会いたいと願うこと。その気持ちをパワーに変えて運命を引き寄せる……って、こんなロマンチックなことがあるかい。ないよ。最高だよ。

ロマンチックでドラマチックだと男性向けじゃないのかなと思うじゃない。でも、分かりやすいエンタメとして男女の入れ替わりっていうイベントがあるから全然いける。

しかも、その入れ替わりだけで終わらない展開にもハラハラできて、最後にはキュッと胸を締め付けられてしまう。

夏の終わりにぴったりの恋物語。ほんとうに楽しかった。

どんな話なのか

千年に一度の彗星来訪を一か月後に控えた日本。山深い田舎町で憂鬱な毎日を過ごしていた女子高校生の三葉は、町長である父の選挙運動、家系の神社の風習などに縛られ、それゆえに都会への強い憧れを持っていた。

そんなある日、自分が都会に暮らす男の子になった夢を見る。他人の人生に戸惑いながらも、念願だった都会での生活を満喫する三葉。

一方、東京で暮らす男子高校生の瀧も、同じような奇妙な夢を見ていた。行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。

はたして、彼らが体験した夢の秘密とは……?

この予告映像、大好きです。これだけでウルッとしてしまう。

面白かったところ

泣いたよ、泣いた。グワッと気持ちが盛り上がるわけではなく、静かにさめざめと泣いたね。

スマートフォンやなんやかんやと情報と連絡手段であふれた現代を舞台に、ここまですれ違わせるかってくらいのすれ違い。その切なさに胸を突き上げられるような気持ちになった。

以下、ネタバレ含まれますのでご注意を。

男と女、じゃない

前半はよくある男女の入れ替わりものをラブコメっぽく描いてた。テンポよくて楽しいうえ、過去の入れ替わりものと違って、女の子っぽくなった立花瀧と男の子っぽくなった宮水三葉が、わりと周囲に受け入れられてるのが面白かった。

今までだったら「男らしくない!」とか言われそうなもんなんだけど、友だちは「なんか変だぞ」くらいしか言わない。藤井司(瀧くんの友だちでメガネの子)なんて、中身が三葉の瀧くんを「ちょっとかわいかった」って言ってたからね。奥寺先輩(瀧くんのバイト先の美人)も「女子力高いね」って褒めてたし。

ここがジェンダーレスな現代っぽいというか、男と女というくくりでなく"他人の人生"を生きるってことに踏み込めてたような気がしたんだよね。

忘れる、消える

そんな入れ替わった二人のすれ違いがしっかりと描かれてるのにも驚いた。だってさ、なんども言うけどこれは現代が舞台なんだよ。スマホで電話かければ一発じゃん。すれ違いようがないじゃない。

でも、そのすれ違いのはじまりを、そもそも"夢"だって思いこんでいるところから始まって、お互いの存在が当たり前になったがゆえに連絡先の交換もまともに行わず、そういった当たり前を失ってから初めてその大切さに気づいて……っていう気持ちの動きで納得できるように説明できてる(ってぼくは思った)のがすごい。

さらに、入れ替わりの事実を忘れてしまうっていう"呪い"みたいなものや、互いが残した入れ替わりの証拠みたいなものも消えてしまうっていう設定もあってな。

ファンタジーと心情をうまく組み合わせてできるだけ自然に二人が会えない状況をつくるんだよ。

そういった障害を乗り越えて、どうにかして瀧くんが三葉に会おうとする場面は最高だったね。

頂上での瀧

これはもうほとんどクライマックスなんだけど、瀧くんがやっと会えた三葉にかける言葉が最高すぎてもう涙がとまらんかった。

「大変だったよ。お前、すごい遠いとこに居るからさ」

なにこれ。最高かよ。

おい、瀧。遠いなんてもんじゃないだろ。

あんた、東京から自分の記憶を頼りに描いた糸森町の景色だけを手がかりにして、豪雨のなか山を登って、必至こいてここまできてさ……。時間も、距離も、生死も飛び越えてんだぞ!それなのになんだよ……。

「大変だったよ。お前、すごい遠いとこに居るからさ」

かっこいいよおおおおお!!!!

ふだんは子どもっぽくて奥手で思春期まるだしなのに、こういう時だけちゃんとかっこつけられるなんてずるい。ずるすぎる。

ほんと、ごちそうさまでした。

音楽がすばらしい

そういったグッとくる場面を盛り上げる音楽もすばらしかった。なんせRADWIMPSである。ボーカルの野田洋次郎さんは、"君"を求める曲を書かせたら天下一品なのだ。

君に会いたい、君がすばらしい、君がぼくを造った、君を求めてた、君をさがしてた、君はぼくの心臓、君は神様……。

元々そういった詩の世界観だったのはあるけど、さらに映画のために作られた曲ということで、よりいっそう物語にマッチしていた。

オープニング&エンディングはもちろん、ここぞという場面で流れる音楽の力って偉大だなと、あらためて思ったよ。

考察してみた

「君の名は。」という作品は、とても情報量が多いわりにテンポがいい。そのため、あえて劇中で描かれなかったシーンがたくさんあった。

そういったシーンや隠された設定についていろいろ想像するのってけっこう楽しいよね。なので、ぼくが勝手に想像したことも共有してみたいと思う。

ぼくは原作を読んでないので、明らかに見当違いなことを言っている可能性もあるから注意してほしい。まちがってたらごめんね🙏

なぜ瀧と入れ替わったのか

まず気になったのが、三葉が入れ替わったのがなぜ瀧くんだったのかということ。

宮水家は代々そういった入れ替わりが起こる家系だってのは祖母の一葉が劇中で説明していたけど、その相手がどうやって選ばれるのかについては説明がなかった。

で、ぼくも瀧くんだった理由を考えてみたけど、けっきょく分からなかったんだよね。ごめんね。

でも、瀧くんは、おそらく何人かの候補の中からから選ばれたんじゃないかなと思う。理由は三葉の「誰か(他人?)の人生を生きていたような」という台詞だ。

物語の順番としては、瀧くんが三葉の中に入ったのが先で、瀧くんの中に三葉が入ったのはその後だった。しかし、その間の場面、テッシー&サヤちんと三人で昼食をとるシーンで三葉は「誰か(他人?)の人生を生きていたような」と言っていたのだ。

おそらく、三葉はさまざまな人間の中に入り込める能力があって、その中でたまたま波長が合った瀧くんと入れ替わる形になった……っていう裏設定があるのではと思うのだけどどうだろう。

三葉の台詞、かなりサラッと言ってたような気がしたから勘違いだったらごめんね……。

三葉の父の過去

つづいて、三葉の父について。宮水家の二葉と結婚した彼も、おそらく瀧くんと同じように"入れ替わり"を経験していたのではないだろうか。

現町長で選挙活動中の父に彗星が落ちることを三葉(中身は瀧くん)が伝えに行くシーン。彼は三葉の様子がおかしいのを受けて「お前は誰だ?」と驚愕している。

他のキャラクターは三葉の様子がおかしいと感じながらも、誰か他の人間ではないかと疑わなかったのに対し、父は真っ先にそれを疑ったのだ。

これは"入れ替わり"を経験した過去があったからではないだろうか。


もう一つ気になるのが、三葉(中身は三葉)がもう一度父を説得するために出向いたシーン。その説得が成功したことは後で明らかになるんだけど、なぜ彼が説得を受け入れたのかまでは描かれていない。

おそらく、これも"入れ替わり"を経験していたからだと思われる。

二葉との時空を超えた入れ替わりの過去があったからこそ、あれだけかたくなだったのにもかかわらず、三葉の言葉を信じて、強引に「避難訓練」という名目で町民を高校に集めたのではないだろうか。

なぜか町長室に居た一葉がなにか助言した可能性もありそう。あそこで何が起こったのか、ぼくはかなり気になってるよ……!


二葉の死をきっかけに入れ替わりの過去を"宮水家のオカルト"として自分の中で封印してしまっていたのかもしれない。

もしかしたら、そのエピソードが短編映像とかスピンオフ小説で語られたりするのかなって期待してるんだけど、どうだろ。無いかな。

好きなシーン

  • 山頂での再会
  • 階段での再会
  • きれいな彗星を眺めるシーン
  • 新宿の雨

感じたこと

青春っていいよねって、そう思いました。

瀧くんは三葉に会いに「すごい遠いとこ」までがんばって行ったけど、ぼくにとっちゃこの映画みたいな世界が「すごい遠いとこ」になっちゃっててな。別の意味でセンチメンタルになってしまったよ。

でも、そんな遠いとこの夢を見させてくれるのが映画だし、アニメだし、エンターテイメントだと思う。いい夢見させてもらったぜ。あばよ!

こんな時に観たい

泣きたい時、失恋した時、恋してる時、青春時代を思い出したい時。

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