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ビデオ撮ったりブログ書いたりしながら、できるだけ、心だけでも、子どものままでいたいなと思う日々を送ってる。

このブログは、そんなハンサムクロジ(変な名前でごめん)が色々なものを見て、聞いて、触って「こうなのかも」「ああなのかも」と思ったことを綴るものだよ。

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そのあとの恐怖「残穢 -住んではいけない部屋-」

RATING 星1星マーク星1星マーク星1星マーク星1星マーク星0.5半分の星マーク 4.8

2016.07.07

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これは怖い。こわいこわいこわい。とってもこわいホラー映画だった。

鑑賞中よりも、そのあとが怖い。観終わってからずーっと、今このブログを書きながらも「なんで観ちゃったんだろ」って若干後悔してるからね。

これはもう「残穢 -住んではいけない部屋-」っていうタイトルが示すとおり、ものすごく引きずるやつ。すごく嫌な気持ちになるホラーだった(褒めてる)。

ビックリドッキリ系ではないから、そういうのが苦手な人はだいじょうぶ。いや、大丈夫じゃないかも……。

とにかく気持ちがザワザワする作品だったよ!

どんな話なのか

小説家で実話を基にした怪談の連載をしている「私」のもとに、女子大生の久保さんから1通の手紙が届く。それは普段読者から届くような投稿、「自分が住んでいる部屋で変な音がする」という恐怖体験だった。原因を調べるうちに、その部屋のあるマンションに過去住んでいた者たちが引っ越し先で自殺や心中、殺人などの事件を引き起こしていたことが明らかになる。 彼らはなぜ、音のするその"部屋"以外の場所で死に至ったのか。調査を重ねていく中で、「私」は予想だにしなかった事実へとたどり着くことになる……!

面白かったところ

ちょっと長くなりそうなので、最初にネタバレにならなそうな内容で面白かったポイントを、その後ネタバレを含むような内容を、最後にちょっと考察みたいなのを並べて書いていくよ。

じわじわと蝕むリアルな演出

この映画は、主人公である「私」が怪奇現象を調査する中で明らかになったことと、その調査の様子を淡々と伝えるものだ。調査報告ビデオを見ているような、ちょっと眠くなっちゃうくらいの淡々具合なので、がっつりホラーを期待していると拍子抜けするかもしれない。

竹内結子とか橋本愛のナレーション&演技もノンフィクション感のある自然なもの。物足りないように感じるかもしれないが、これが途中から妙な説得力を持ち始めるから怖い。

彼女たちの演技をはじめ、繊細なディテールによって作品中で語られる現象や事件が実在したのではと想像させる。現に登場するキャラクターのうち何人か(原作と名前が異なるキャラクター)は実在のモデルがいるらしい。主人公の「私」は、原作者である小野不由美さん自身であるとの話もあるようだ。

さらに、その「私」が調査した過去の事件の生々しさがまた怖い。人の口から語られたものと歴史的な背景とを組み合わせて客観的な事実に向かっていく様子は、まさに"取材"といった感じ。インタビュー時のカメラワークとかもドキュメンタリーっぽいのも良い。

そのまま最後まで淡々と、でもじわじわと心を蝕んで、けど確実に観た者を"残穢"にまみれさせる映画だったなと。そういった映画としての作りが、ぼくとしては面白いポイントだと思った。

恐怖の正体

と、ここからは若干のネタバレが含まれるので、結末を知りたくない人は回れ右してください。以下は絶対に読まないように。読んでもいいけど、知らないよ……?

じゃ、書いていきます。

あらためて、残穢、つまり"残"った"穢(けがれ)"をめぐるお話だった。リングの貞子はビデオに触穢(そくえ、穢に触れること)した人をやたらめったら殺してたわけだけど、この物語の怪異はビデオなんて記号的で分かりやすいものではなく、土地や家、人といった噂にもならないような存在を媒介としているからたちが悪い。

この手の伝播する怪談は、寄生虫に似ている。

ある種類の線虫は、ナベブタアリに寄生してその腹を真っ赤に染め上げてしまう。その赤色を木の実と勘違いした鳥に食べさせ、子孫を遠くまで運んでもらうためだ。腹の中には寄生虫のタマゴがぎっしり詰まっているが、鳥はそれに気づかない。

「残穢」の怪異も同じだ。穢に触れた者は真っ赤になった腹を抱え、引っ越した先でその中身をぶちまける。

主人公は怪異を探って過去へ過去へと事件を遡っていくんだけど、それもまた寄生虫に脳を乗っ取られたアリのようだ。まるで穢に呼ばれるように、中盤では「取り扱い注意の話」に、最後の方では「聴いても話してもいけない話」に触れてしまう。

そして、解決のないまま調査を終え、怪異から遠ざかったように見える映画のラスト。そこで一気に押し寄せるホラーな演出が「まだ終わってないぞ、これを観たお前にもなにかあるかもしれないぞ」って脅してくる。

だってぼくらも「聴いても話してもいけない話」に触れてしまっているから。

まるでこの映画自体に残った穢に蝕まれているような、そんな嫌な気持ちだけを残して映画は終わる。もうね、最悪だよ。最初にも書いたけどちょっとだけ観たの後悔したもん。とりあえずDVDをさっさと返したいよね。家に置いときたくない。

極上のジャパニーズホラー

しかし、家に置いときたくないくらい怖いっていのが良いのだ。やっぱりジャパニーズホラーってのは、こうじゃなくちゃ。

見えそうで見えない怪異、マンションの一室という閉鎖空間、身近すぎる環境、人物、道具、音……。そして、救いの無い結末。その全てが揃っている。

ジャパニーズホラーの代表といえば、リングと呪怨。それらに引けをとらないくらい怖かった。というか、それらが記号化してジェイソンやフレディみたいになっちゃった今、余裕で勝っちゃってると思う。

設定に関して言えば、触れれば取り込まれその一部となってしまうっていうのは呪怨っぽいけど、穢が人(がダビングしたビデオだけど)を媒介に伝播していくっていうのは貞子っぽい。ふたつの良いとこ取りだ。

あと、どうやっても防ぎようのない災いなのがまた怖くてなぁ……。ヤバイ家も危ないビデオもない、土地も選ばない。

本当に、冗談抜きで、過去最高一番怖いジャパニーズホラーだったよ。なぜかCGはしょぼいけど。

好きなシーン

  • 近所の人にインタビューするシーン
  • 隣の奥さんが顔出してくるシーン

感じたこと

ぼくは怪談が好きなので、よく怖い話のサイト覗いたり、知人からそういった話を聞いたりするんだけど、本当にヤバイ話は聞かないでおこうと改めて誓った。

今までもヤバそうなものは「言わないで」と止めてたし、ネット上に流れているものでも、いわゆる"閲覧注意"系(読んだ人、聞いた人に影響が出る系)は絶対読まないようにしてた。舐めプしてっとマジやられっかんね。ほんと、怖いから。

心霊スポットみたいなのも絶対に行かない。現場オタより在宅オタ。怪奇現象はアイドルじゃないんだから、遭遇しても良いことない。

あと関係ないけど、以下の特別映像すばらしいです。ぜひ。

こんな時に観たい

嫌な気持ちになりたい時。

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